車両カタログ(私鉄買収車Part2)


 

買収国電は、社形または雑形と呼ばれ車両形式もモハ0000形という4桁の数字で区分されていましたが、出身路線別に○○タイプというように特徴ある形態を持っていました。これら車両は戦後全国各地の私鉄に払い下げられ、またそれぞれの私鉄において様々な改造を受けましたが、それでもどこかに過去の姿を感じさせる面影が残っており、そんな車両に巡り会うのが中小私鉄訪問の楽しみのひとつでした。

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富士身延鉄道

昭和16年に買収された現在の身延線です。買収に際して車両は省番号に改番されました(昭和28年に再改番)。


高松琴平電鉄 1201

昭50/8仏生山(昭56/5廃車)

弘南鉄道
モハ2252

昭51/8津軽大沢(昭63/11廃車)

2扉クロスシートであった昭2年製のモハ100~105(102欠)と昭3年製のモハ110~115を国鉄モハ93001~011→再改番モハ1200~1210としたものです。国鉄時代に全車片運化、乗務員扉取付け、台車の統一(DT10化)が図られました。写真は身延モハ103→国鉄モハ93003→改番モハ1202(昭32/5廃車)。

弘南鉄道には4両が売却され、うち3両が3扉改造されました。写真は身延モハ104→国鉄モハ93004→改番モハ1203(昭33/11廃車)。

大井川鉄道 モハ306

昭53/3千頭(昭53/2廃車)

弘南鉄道
モハ2250

昭51/8津軽大沢(昭56/10廃車)

大井川鉄道には2両が売却されました。写真は身延モハ110→国鉄モハ93006→改番モハ1205(昭33/11廃車)。車体裾の形状が直線に改造されています。

身延モハ112→国鉄モハ93008→改番モハ1207(昭33/11廃車)。

高松琴平電鉄 1202

昭50/8仏生山(昭56/5廃車)

4両あったクハユニ300形。写真は身延クハユニ302→国鉄クハユニ95003→クハニ7202(昭32/5廃車)



豊川鉄道

飯田線は4社の路線を昭和18年に買収した路線です。このうち豊橋~大海及び豊川~西豊川は元豊川鉄道でした。


流山電鉄 クハ51

昭50/3流山(昭53/5廃車)

高松琴平電鉄 810

昭50/8瓦町

昭2年製の豊川クハ62→国鉄クハ5601(昭34/3廃車)。

2扉クロスシートのクハ100形です。2両が製造され2両とも琴電に売却されています。写真は豊川クハ101→国鉄クハ5610(昭37/2廃車)

豊橋鉄道モハ14

昭52/3資料館(昭43/7廃車)

木造電車のモハ14は昭26/4廃車後、本長篠~三河田口の田口鉄道→豊橋鉄道田口線所属となりました。廃車後の保存先となった奥三河郷土資料館で撮影。



鳳来寺鉄道

飯田線の大海~三河川合は豊川鉄道と姉妹会社の鳳来寺鉄道の路線でした。


伊豆箱根鉄道 モハ35

昭46/8大雄山(昭49/11廃車)

鳳来寺モハ20→国鉄モハ1700(昭39/9廃車)。



三信鉄道

三河川合~天竜峡は三信鉄道の路線でした。


小湊鉄道 キハ5800

昭47/8五井(平9/3廃車)

伊豆箱根鉄道 モハ47

昭52/8大場(昭52/廃車)

主力のデ300形8両は木造省電払下げ車。写真は昭11年に前面非貫通スタイルで車体を新製した三信デ301→国鉄クハ5800(昭34/2廃車)。国鉄買収後に前面貫通化改造され小湊鉄道では僚車のクハ5801とともに気動車として復活しました。

三信デ303→国鉄クハ5802(昭34/2廃車)。伊豆箱根鉄道で3扉化、電動車化改造されました。

大井川鉄道 クハ506

昭53/3千頭(昭53/2廃車)

三信デ305→国鉄クハ5804(昭34/2廃車)。



伊那電鉄

飯田線北部の天竜峡~辰野は元伊那電気鉄道の路線。買収時の電車は、木造車19両、半鋼製W屋根のデハ120形5両、半鋼製郵便荷物合造車サハニフ400形5両でした。


新潟交通 モハ16

昭47/3東関谷(昭44/3更新)

弘南鉄道 クハニ1272

昭51/8平賀(昭60/9廃車)

昭2年製の伊那デハ124→国鉄モハ1924(昭30/3廃車)。新潟交通でモハ16として復活し昭44年に車体載替えを行い旧車体は倉庫となっていました。

伊那サハニフ403→国鉄サハニ7901(昭32/7廃車)。サハニフ400形は国鉄時代に3両がクハ化され(うち2両が交流電化の試験車に転用)、サハニとなった2両は弘南鉄道に払下げられ運転室取付け改造されました。



信濃鉄道

大糸線の松本~信濃大町を昭和12年に買収したもの。車両は10両すべて木造車です。


上田交通 クハ262

昭51/5上田原(昭36/3廃車)

信濃ホハ2→国鉄クハ29002→改番クハ5101(昭29/3廃車)



富岩鉄道

富山港線は周辺が交流電化されているのに直流電車が走るミニ路線。前身は富岩鉄道で昭和16年富山電鉄(富山地方鉄道)に吸収され同社富岩線となった後、昭和18年国鉄に買収されました。


富山地方鉄道 ボ2

昭51/8四方(昭55/4廃車)

ボ2(昭23/4廃車)。前面5枚窓の木造車でしたが昭37年の除雪車化の際に写真の姿に改造されました。僚車のボ1も除雪車となり加越能鉄道に再売却されています。



広浜鉄道

現在の可部線横川~可部を昭和11年に買収したもの。電車9両のうち6両は原爆で被災し廃車になっています。


熊本電鉄 モハ72

昭49/7上熊本(昭55/1廃車)

1形→モハ90形のうち3両が熊本電鉄に売却され再起しました。写真は広浜3→国鉄モハ90003(昭28/3廃車)。



宇部鉄道

現在の宇部線で昭18年に買収されました。


日立電鉄 モハ1301

昭47/1久慈浜(平3/12廃車)

日立電鉄 モハ1302

昭50/3鮎川(昭54/5廃車)

宇部モハ22→国鉄モハ1301(昭32/3廃車)。

宇部モハ24→国鉄モハ1302(昭33/7廃車)。左写真と同型車ですが窓が2段化改造されていました。

日立電鉄 クハ5300

昭50/3鮎川(昭54/5廃車)

宇部クハ11→国鉄クハ5300(昭33/5廃車)。日立電鉄では国鉄時代の番号で使用されました。



阪和電鉄

阪和電鉄の路線は昭15年に南海鉄道に合併、昭19年に国鉄に買収され阪和線になりました。電車は19m長の大型車で75両が買収され大半はそのまま阪和線で一生を送っています。
買収国電のなかでは珍しくオリジナルの国電並みの形式番号(クモハ20形、クハ25形)が与えられ、廃車時期も遅かったのですが、大型車だったために中小私鉄で再起したのはたった2両にすぎません。


弘南鉄道 モハ2026

昭52/8平賀(平1/12廃車)

国鉄廃車後、元2扉クロスシート車だった2両が岩手県の松尾鉱業鉄道で再起、同線の廃止後は2両とも弘南鉄道が購入し晩年はクハ化して使用されました。阪和モヨ106→国鉄クモハ20054(昭41/3廃車)→松尾鉱業クモハ202(昭44/12廃車)。