車両カタログ(私鉄買収車Part1)


 

昭和11年から19年にかけて電化されていた14路線が国策により買収され、電車もそのまま引き継がれて国電となりました。これらの元私鉄車両は規格や搭載機器が異なったため戦後になると早々に廃車の対象になってしまいましが、早期に廃車されたものの一部は中小私鉄に払い下げられ各種改造を受けつつも後年までその姿を見ることができました。
なお昭和16年までに買収された広浜鉄道、富士身延鉄道、信濃鉄道の車両は買収とともに車両称号が変更されましたが、他の11社の車両についてはオリジナル番号のまま使用され、昭和28年の車両称号大改正に合わせて4桁ナンバーに改番されました。

 

Part2

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宮城電鉄

現在の仙石線で昭和19年に25両とともに買収された路線です。車両は木造車8両とモハ500形グループ8両(モハ500、モハ600、クハ400、クハニ700)、スタイルが一変したモハ800形7両の3タイプで、木造車以外は28年の改番後も主に仙石線で活躍しましたが、最も新しい昭12~16年製の800形の私鉄譲渡車はありませんでした。


日立電鉄クハ6310

昭50/3鮎川(昭54/5廃車)

高松琴平電鉄 67

昭50/8瓦町

宮城クハ401→国鉄クハ6310(昭36/3廃車)。正面貫通化、3扉化、グローブ形ベンチレータ化されていました。

大15年製の木造クハ302(昭27/7廃車)。琴電入線後、車体は鋼体化改造され屋根のカーブや窓割りに面影が残るのみとなっていました。

高松琴平電鉄 230

昭59/5平木

新潟交通 クハ38

昭47/3東関谷(昭37/12廃車)

右上と同じ経緯のクハ303(昭27/7廃車)。やはり琴電入線後に車体は鋼体化改造され種車の面影はありません。

宮城モハ220→国鉄クハ6300(昭30/3廃車)。新潟交通に払い下げられたのち名義上モハ18に改造されましたが不要になった旧車体は検修庫で再使用されていました。



南武鉄道

現在の南武線で昭和19年に41両とともに買収されました。早期に廃車された100形は15両のうち10両が私鉄で再起しましたが、昭和28年の改番後も残った150形(モハ150形、クハ250形)13両の私鉄譲渡車は4両のみでした。


高松琴平電鉄 81

昭59/5今橋(平10/7廃車)

流山電鉄 モハ101

昭50/3流山(昭53/5廃車)

大15年製の101~106は南武100形の1次形車。写真はモハ101(昭26/6廃車)→東濃鉄道を経ての入線です。102、104も同じ経緯で琴電に移っています。

昭3年製の2次形車モハ107(昭24/3廃車)。1~2次形はお椀形ベンチレータです。1~3次形車のうち流山で4両が再起しています。

日立電鉄 モハ2230

昭50/3鮎川(昭54/5廃車)

熊本電鉄 モハ121

昭49/7北熊本(昭60/12廃車)

南武モハ100形の2次形車モハ108(昭24/3廃車)で秩父鉄道→弘南鉄道(車体)を経由して入線しました。2段窓化されベンチレータもガーランド形に改造されています。

昭6年製の3次形車は少し丸みを帯びベンチレータは当初からガーランド式です。写真は南武モハ114→国鉄クハ6003(昭31/3廃車)で2段窓化されていました。

流山電鉄 モハ102

昭50/3流山(昭54/9廃車)

関東鉄道 キハ40085

昭46/3水海道(昭47/5廃車)

南武モハ100形の3次形車モハ115(昭24/3廃車)。

昭15年木南車両製の南武クハ210形クハ214(昭24/10廃車)。常総筑波鉄道(関東鉄道常総線)ではクハ213とともに中央扉を埋め気動車になっています。

高松琴平電鉄 850

昭50/8瓦町(平10/7廃車)

伊豆箱根鉄道
モハ36

昭46/8相模沼田(昭49/11廃車)

南武クハ250形クハ253→国鉄クハ6012(昭38/2廃車)。
電動車は帝国車両製のモハ150形ですがクハ250形は汽車支店製でした。

南武クハ250形クハ254→国鉄クハ6013(昭38/10廃車)。電動車化して使用されていました。撮影場所不明でしたが地元の方から相模沼田とのご指摘をいただきました。

伊豆箱根鉄道
クハ25

昭46/8小田原(昭49/11廃車)

南武モハ500形のモハ504→国鉄クハ6020(昭35/3廃車)。500形は木造車の鋼体化車で木南車両製(503、504)と日鐵自動車製(505、506)では形態がだいぶ異なっていました。



鶴見臨港鉄道

現在の鶴見線で昭和18年に41両の電車が買収されました。110形(111~120)と木造国電払下げ車は私鉄で再起したものが多い反面、昭和13年製の330形や昭和17年製の210形は昭和28年の改番以降も国鉄線で活躍しましたが私鉄に移った車はありません。


上毛電鉄 クハ701

昭52/4大胡(昭54/5廃車)

山形交通 モハ107

昭49/8間沢(昭49/11廃車)

昭5年新潟鉄工所製のモハ111(昭24/3廃車)。上電では片運化、右側運転台化されていました。

鶴見モハ112→国鉄クハ5540(昭29/3廃車)。車体更新で昔の面影はありません。

銚子電鉄 モハ301

昭47/3仲の町

弘南鉄道 クハ205

昭51/8津軽大沢(昭55/3廃車)

モハ115(昭24/3廃車)。集電装置はビューゲルになっていますが車体は乗務員扉のない原型のままです。

鶴見モハ118→国鉄モハ1504(昭32/7廃車)。上田丸子電鉄を経由して入線しました。反対側は貫通化改造されています。

静岡鉄道 モハ20

昭49/8長沼(昭57/5廃車)

日立電鉄 モハ101

昭47/1大甕(昭47/3廃車)

昭5年浅野造船所製の鶴見モハ119→国鉄モハ1505(昭32/7廃車)。110形は8両が新潟鉄工所、2両が浅野造船所製です。静鉄にはモハ113、117もモハ18、19として入線しましたが事業車となった写真の車両のみ現存します。

省払下げ車のモハ142(昭23/10廃車)で、路線買収により再度国電になった木造電車。日立電鉄廃車後、国鉄大井工場で復元保存されています。

日立電鉄 クハ141

昭47/1大甕(昭39/3廃車)

右上のモハ101と同じ経緯で入線した元木造国電。



青梅電鉄

現在の青梅線で、昭和19年に24両が買収されました。車両の形態としては大15~昭3年製の100形および昭5年製500形からなるグループと、昭15~16年製の500・700形のグループ、さらに木造車2グループに分けられます。


流山電鉄 クハ53

昭53/7流山(昭56/6廃車)

小湊鉄道 キハ6101

昭47/8五井(廃車)

昭3年製のモハ103(昭24/3廃車)で富士急行を経て入線しました。片運化され乗務員扉も新設されています。

青梅モハ104→国鉄クハ6101(昭30/1廃車)。モハ102(クハ6100)とともに気動車として再生しました。正面は大改造されています。

上毛電鉄 クハ501

昭54/8大胡(昭54/3廃車)

昭5年製モハ500形503(昭23/7廃車)。上の100形に似ていますが車体が延長され当初から乗務員扉付きです。写真の2段窓は後に改造されたもの。なお昭15年製のモハ500形(505~508)はまったく異なる形態でした。




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