車両カタログ(20m3扉車Part1)


 

3扉セミクロスシートの51系は、オリジナルのモハ51形、クモハ54形、クハ68形など100両が昭和10年~18年に製造されたもので、後に2扉クロスシートの42形を3扉化改造したグループや40系をセミクロスシート化したグループも加わっています。オリジナルの51系についてもロングシートの40系と同様、ベンチレータ、窓上下の帯の有無、張上げ屋根などといった製造年による特徴は戦後の更新修繕で標準化されています。初期車は中央線に配置されましたが、昭和11年後期製造車以降は関西地区用となり、戦後は初期車も転属して京阪神地区の主力として活躍しました。そのため運転台に球形通風器を取り付けた車両が多くみられます。
なお、62系は昭和49年にクモハ73、モハ72、クハ79を種車として115系並みの車体を新製したグループですが、本編に掲載しました

 

Part2(クハ68形ほか)



クモハ51形

中央線用に昭和10年度から製造された3扉セミクロスシート車で、その座席配置は70系はもとより111/115系など以降の新性能電車に採用された座席配置の元祖とも言えます。オリジナル車は半流線片運転台車ですが、ロングシートの40系や2扉42系からの改造車が加わる一方で低屋根化改造により800台に改番された車も登場しています。


クモハ51001

昭50/3岡山(昭51/9廃車)

クモハ51039

昭50/3岡山(昭51/9廃車)

オリジナルのモハ51形は001~057が製造され、形態は全てシル・ヘッダー付き半流線形運転台車です。写真は固定窓がHゴム化されていたものの中央扉幕板部に行先表示窓が残っていたトップナンバー車。なお本車は全室運転室化の際、助手席側後部の客窓が埋められました(51008→51810も同様に改造されています)。

昭和11年度製の011~は運転室が全室となり、027~は関西地区に新製配置されました。また最終増備の056・057はリベットレス車体です。001~026は戦中にロングシート化されモハ41056~081になりましたが戦災廃車になった3両を除いてモハ51同番号に復旧されました。

 

クモハ51062

昭50/3府中(昭52/8廃車)

クモハ51075

昭50/8岡山(昭51/9廃車)

ロングシートのモハ41形をセミクロスシート化改造してモハ51形に編入したグループです。このためオリジナル車の扉間窓数6個に対して本グループは5個でシートピッチと窓の位置関係が合っていません。当初11両を改造する計画だったものが実際の施工は5両に終わったため062・066~069と番号が飛んでいます。

075~087は両運転台のモハ40形1次形車を片運転台セミクロスシート化したものです。当初19両を改造する計画のところ実際の改造車は8両にとどまったことから、本グループも番号が飛んでいます。連結面側の窓配置に乗務員扉を撤去した面影が残っています。078が架線試験車のクモヤ93に、また085・086が同じくクモヤ492+クモヤ493に再改造されています。

 

クモハ51208

昭50/8岡山(昭51/4廃車)

クモハ51804

昭53/2北松本(昭56/9廃車)

2扉クロスシートのモハ43形からは5両が3扉化され200~208(偶数)となりました。後に2両が低屋根化改造され850・852に再改造されています。

昭和41年からオリジナルのモハ51形のうちパンタグラフ部分を低屋根化した15両が800台(800~828偶数)に改造されています。14両が身延線に配置されましたが写真の804のみ北松本区の所属でした。

 

クモハ51830

昭56/7富士(昭56/8廃車)

クモハ51852

昭56/2富士(昭57/2廃車)

2扉クロスシートのモハ42形からは1両のみが片運転台化3扉改造されモハ51073→低屋根改造830となったものです。低屋根化の際にパンタグラフを後部に移しましたがその移設跡にはベンチレータが設置されていません。縦樋丸管や幕板部の急行板差しが残るほか窓配置に撤去した乗務員扉の面影がみられます。なお本車は電動機を出力アップしているものの形式は51形のまま(本来ならクモハ54800ですね?)となっていました。

前述のクモハ51200~のうち2両を低屋根化し850・852としたものです。写真左の830と同様にパンタグラフを後部に移していますが、こちらは移設跡にベンチレータが新設されています。片隅式運転室のため身延線では中間車として使われる機会が多くなっていました。


車両リスト

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クモハ51(001~  062~  200~)

クモハ51001
昭50年3月 岡山
乗務員扉直後の窓は埋められています。

クモハ51003
昭50年3月 岡山

クモハ51005
昭50年3月 岡山
ベンチレータが5個のタイプ

クモハ51010
昭50年3月 高槻
1列ガーランドベンチレータや、中央ドア脇の行先表示窓が残るなど特異な車でした。

クモハ51011
昭49年12月 北松本

クモハ51013
昭55年8月 北松本

クモハ51014
昭51年9月 島内

クモハ51019
昭53年11月 富士宮

クモハ51023
昭53年9月 伊那松島

クモハ51025
昭51年9月 信濃大町

クモハ51027
昭53年8月 伊那松島

クモハ51028
昭48年7月 明石
東海道線急行の車窓から

クモハ51029
昭58年5月 伊那松島

クモハ51030
昭49年12月 北松本

クモハ51031
昭50年3月 宇部(管)

クモハ51032
昭51年9月 北松本
横サボ受けの位置が他車と異なっていますね

クモハ51035
昭52年7月 府中

クモハ51036
昭55年9月 宇部(管)

クモハ51039
昭50年3月 岡山

クモハ51040
昭52年7月 宇部新川

クモハ51041
昭50年3月 宇部(管)
関西配置車は幌枠を装備したため窓上下の帯が貫通扉脇まで達していません。

クモハ51043
昭52年7月 府中

クモハ51044
昭53年8月 中部天竜

クモハ51045
昭50年8月 岡山

クモハ51046
昭53年8月 中部天竜

クモハ51049
昭52年7月 福山

クモハ51051
昭50年3月 岡山

クモハ51053
昭50年3月 岡山

クモハ51055
昭50年8月 岡山

クモハ51056
昭50年3月 大阪

クモハ51057
昭50年8月 岡山

クモハ51062(モハ41002)
昭51年3月 府中

クモハ51066(モハ41006)
昭50年3月 府中

クモハ51068(モハ41008)
昭50年3月 岡山

クモハ51069(モハ41009)
昭50年9月 辰野

クモハ51075(モハ40007)
昭50年8月 岡山

クモハ51080(モハ40012)
昭50年8月 岡山

クモハ51083(モハ40015)
昭50年8月 大元

クモハ51087(モハ40019)
昭50年8月 大元

クモハ51200(モハ43002)
昭52年3月 中部天竜

クモハ51208(モハ43032)
昭50年8月 岡山


クモハ51(800~)

クモハ51800(モハ51042)
昭56年7月 富士
中央扉脇に行先表示窓が残っています。

クモハ51802(モハ51054)
昭56年2月 西富士宮
ベンチレータが5個のタイプ

クモハ51804(モハ51004)
昭53年2月 北松本

クモハ51806(モハ51006)
昭55年4月 富士
ベンチレータは薄型、かつモハ63タイプという変わり種のように見えます。

クモハ51808(モハ51007)
昭50年3月 富士

クモハ51810(モハ51008)
昭51年12月 沼津
乗務員扉直後の窓は埋められています。

クモハ51812(モハ51009)
昭54年10月 富士

クモハ51814(モハ51012)
昭55年3月 富士

クモハ51816(モハ51017)
昭54年11月 富士
この時期、パンタ下の戸袋窓は廃車発生品とみられる3段窓になっていました。

クモハ51818(モハ51018)
昭50年3月 富士
薄型グローブベンチレータ搭載車のようです。

クモハ51820(モハ51020)
昭53年7月 富士
薄型グローブベンチレータ搭載車のようです。

クモハ51822(モハ51022)
昭50年3月 富士
薄型グローブベンチレータ搭載車のようです。

クモハ51824(モハ51024)
昭54年11月 富士

クモハ51826(モハ51050)
昭53年7月 富士
ベンチレータが5個のタイプ

クモハ51828(モハ51052)
昭50年3月 富士

クモハ51830(モハ42012)
昭56年7月 富士

クモハ51850(モハ43008)
昭50年3月 沼津
スカイブルー時代。所属表記は消されていました。

クモハ51852(モハ43014)
昭56年2月 富士
51850とも、なかなかお顔が撮れない車でした。



クモハ50形

2扉クロスシートのモハ43形を出力アップしモハ53形化された9両のうち5両を3扉化改造しクモハ50形としたものです。横須賀線で使用された後、豊橋区に転じて飯田線で活躍しました。結果的に3扉セミクロスシート車の主力アップ形ですので、形式としてはクモハ54形(クモハ51形の出力アップ車)に分類されるほうが相応しい気もします。


クモハ50004

昭49/8豊橋(昭53/11廃車)

改造前が同じモハ43形であることからクモハ51200~と形態的には同一です。飯田線では3連の中間に使用されることが多く、なかなかお顔が撮れない車達でした。006は鶴見事故で廃車されています。


車両リスト

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クモハ50000
昭53年11月 駿河小山
使用中止後、疎開留置中の姿

クモハ50002
昭53年11月 富士宮
使用中止後、疎開留置中の姿

クモハ50004
昭49年8月 豊橋

クモハ50008
昭53年3月 東栄



クモハ54形

オリジナルのモハ54形は、モハ41/モハ60の関係と同様にモハ51形の出力向上形として製造されたものです。後にロングシートのモハ60形をセミクロスシート化した101~も登場しています。改造車を含めて全車関西地区に配属されていました。


クモハ54001

昭50/2伊那松島(昭59/2廃車)

クモハ54004

昭49/8陸前原の町(昭51/5廃車)

オリジナルのモハ54形は9両のみ新製されました。このうち昭和12年製の001・002は当初モハ51形として製造されていたため同時期の51形と同様にリベット付き車体でした。

モハ51形の製造は昭和13年度で終了し、昭和14年度からは出力向上形のモハ54形に移行しました。昭和14年製の003~005はノーシルノーヘッダー張上げ屋根で登場しましたが、戦後の更新修繕で張上げ屋根は普通タイプに改造されました。写真の004は仙石線での使用に際しベンチレータが押込み式に変更されています。

 

クモハ54006

昭49/8豊橋(昭59/2廃車)

クモハ54103

昭51/2陸前原の町(昭52/3廃車)

昭和15年製の006~009はシル・ヘッダー付きリベットレス車体となりました。

101~133(欠番あり)は元ロングシートのモハ60形です。21両が改造されましたがモハ60形の形態により2タイプがありました。写真の103は101とともにモハ60形1次形からの改造であるためノーシルノーヘッダーです。

 

クモハ54123

昭52/3豊橋(昭53/11廃車)

104~はシル・ヘッダー付きモハ60形からの改造車です。オリジナルのクモハ54形が扉間窓6個であるのに対して改造車は5個でシートピッチと窓配置が合っていません。


車両リスト

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クモハ54001
昭50年9月 伊那松島

クモハ54002
昭53年9月 豊川

クモハ54004
昭49年8月 陸前原ノ町

クモハ54005
昭56年8月 穂高
使用中止後、疎開留置中の姿

クモハ54006
昭49年8月 豊橋

クモハ54007
昭53年3月 豊川
押込み型通風器装備車。

クモハ54008
昭53年11月 富士宮
使用中止後、疎開留置中の姿

クモハ54009
昭53年8月 伊那松島

クモハ54101(モハ60026)
昭51年9月 北松本
押込み型通風器装備車。

クモハ54103(モハ60027)
昭51年2月 陸前原ノ町
押込み型通風器装備車。

クモハ54104(モハ60032)
昭53年11月 富士宮
使用中止後、疎開留置中の姿

クモハ54105(モハ60029)
昭49年8月 陸前原ノ町
押込み型通風器装備車。

クモハ54106(モハ60034)
昭50年9月 伊那松島

クモハ54108(モハ60036)
昭50年2月 辰野

クモハ54109(モハ60033)
昭54年1月 有明
押込み型通風器装備車。

クモハ54110(モハ60038)
昭53年9月 伊那松島

クモハ54111(モハ60035)
昭50年2月 伊那松島

クモハ54112(モハ60040)
昭53年3月 豊橋

クモハ54117(モハ60090)
昭53年8月 伊那大島

クモハ54119(モハ60091)
昭53年3月 豊橋

クモハ54121(モハ60092)
昭50年2月 豊橋

クモハ54123(モハ60093)
昭52年3月 豊橋

クモハ54125(モハ60094)
昭53年9月 豊橋

クモハ54127(モハ60095)
昭53年3月 豊橋

クモハ54129(モハ60102)
昭58年6月 飯島

クモハ54131(モハ60104)
昭52年3月 豊橋

クモハ54133(モハ60105)
昭53年9月 伊那松島


サハ58形

サハ48形の項でも触れましたが、流電編成・合の子編成の中間車であるサハ48形5両を3扉化改造して新形式サハ58形としたものです。ほかに1両だけサロハ66形からの改造車がありました。


サハ58000

昭50/8岡山(昭51/9廃車)

サハ58010

昭50/3岡山(昭51/10廃車)

第1次流電編成のサハ48029からの改造車のため窓幅が狭くなっています。

「合の子」編成のサハ48032・033を3扉化しサハ58010・011としたものです。この2両のみトイレが残されていました。

 

サハ58021

昭50/3岡山(昭52/3廃車)

サハ58050

昭50/3岡山(昭51/9廃車)

流電第2・3編成のサハ48030・031を3扉化しサハ58020・021としたものです。

本車のみ流電第3編成のサロハ66017から改造されたもので、元2等室の1300ミリ幅窓や連結面上部の通風器も残されています。戦後の更新修繕後も製造時の張上げ屋根が残された数少ない車両(「国鉄電車ガイドブック旧性能車編」に昭和46年撮影の写真があります)でしたが本写真撮影時は普通屋根に改造されていました。


車両リスト

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サハ58000(サハ48029)
昭50年8月 岡山

サハ58010(サハ48032)
昭50年3月 岡山

サハ58011(サハ48033)
昭50年8月 大元
台車はTR23に交換

サハ58021(サハ48031)
昭50年8月 岡山

サハ58050(サロハ66017)
昭50年8月 岡山
妻面貫通扉上の通風口が残っていました。